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published on 2026-04-25

3. CanonicalとLenovoを信じて

換装とデュアルブート構成

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ThinkPad X1 Carbon Gen 12はUbuntu認証機であるが,認証対象は22.04 LTSである。カスタムイメージの利用が推奨され,標準イメージは正常に動作しない可能性があると注記されている(Standard images of Ubuntu may not work well, or at all.)。一方で,実際の導入作業自体は概ね通常のセットアップ手順で実施できた。今回は購入直後の個体を開梱した段階で筐体も開け,付属のM.2 SSDを取り外した。これをUSB-C接続の外付けケースに収め,macOS上でddコマンドを用いてイメージを取得し,その内容をSamsung 990 PROへ書き戻した。製品付属SSDを未変更のまま保管し,そのイメージも保持しているため,万一の失敗時にも復旧は容易であると判断した。

開かれたX1 Carbon。自動車用内装はがしが活躍する。

M.2 SSDの取り外しについては,ThinkPad X1 Carbon Gen 12 Hardware Maintenance Manual のp. 58–59に,静電気・衝撃・接点への接触を避け水平方向に操作するよう注意書きがある。マニュアルには「スロットが損傷する可能性があります」と書かれており,その割に新しいSSDはスムーズに入らず冷や汗を掻いたが,その冷や汗自体がスロットを壊してしまいそうであった。

Hardware Maintenance Manual p. 59

ThinkPad X1 Carbon Gen 12 Hardware Maintenance Manualのp. 59。M.2 SSDの取り外し手順が図解されている。

ストレージ構成については,最終的にはデュアルブート構成を採用した。全領域をLinux専用とする選択肢もあったが,Windows環境で動作するLenovo Vantageを用いてファームウェア更新を行う必要があること,およびWindows Subsystem for Linux 2も試用対象としていたことがその理由である。当初はWindows側にも一定の役割が残る可能性を見込み,Windowsに1 TB,Linuxに3 TBを割り当てた。パーティション調整はWindows上で実施した。これは,他OSとの共存を考える場合でも,Windows側で先に領域を整理しておく方が扱いやすいためである。なお,WSL2について本稿では詳述しないが,Linux Desktopの代替としては限定的であり,結果としてWindowsはLenovo Vantage専用の環境となった。特にファイルシステムやI/Oの挙動,Docker Desktopの性能,操作体系の複雑さ,ならびに各種Microsoft製アプリケーションの使用感には違和感が残った。

デュアルブート構成

Windowsに1 TB,Linuxに3 TBを割り当てたデュアルブート構成。

Download Ubuntuページ

インストールメディアの作成では,ISOイメージをUbuntu Downloadから取得し,Windows上でRufusを用いてUSBメディアを作成した。一般にはWindowsではRufus,UbuntuではDisks,macOSではbalenaEtcherが推奨されるようだが,今回はWindows上で作業することにし,Rufusを試した。本機は22.04 LTSのみが認証対象であり,かつカスタムイメージ推奨の経緯があるため,本来であれば22.04 LTS以降を導入する際にはLive環境で事前に動作確認すべきであったが,CanonicalとLenovoを信じてその検証を省略し,直接「Install Ubuntu」を力強く選択した。Secure Bootについて特別な設定変更は不要であり,パーティション選択に注意する以外は標準的なデスクトップ構成としてインストールできた。結果として,ドライバーおよびファームウェアは自動的に認識されているようであり,22.04 LTS当時にカスタムイメージで対処されていた問題の少なくとも一部は,24.10では解消していると考えられる。Wi-Fiは追加設定なしに接続でき,実運用においても支障はない。

GNOME設定のWi-Fi画面

Wi-Fiは追加設定なしに接続・安定動作している。

指紋センサは登録・認証ともに動作する。ただし認識精度は著しく低く,何度かなぞり直しを強いられることが多いため,常用には厳しい印象である。登録方法や指の当て方に起因する可能性も否定できず,現時点では参考情報として留めておく。マイクも実際に使用して動作を確認している。一方で,顔認証は運用上の必要性がないため使用していない。カメラ自体についても未検証である。VLCをApp Centerから導入して確認を試みたものの,VLC自体が起動すらしなかったため,別経路での検証が必要である。WWANモジュールは本機には搭載していない。